五十音マインスイーパーは、五十音表をそのまま盤面にしたマインスイーパーです。お題の答えに含まれる文字が「地雷」になっていて、2 人で交互にマスを開けながら、先に答えを当てた方が勝ちです。
Web 版は minesweeper.enludus.com で遊べます。iOS 版は App Store で配信しています。
この記事では、どんなゲームなのか、どう遊ぶのか、つくっていて面白かったところと難しかったところを書きます。
なぜつくったか
マインスイーパーのいちばん面白いところは、数字から推理する ところだと思っています。「この 2 の周りには地雷が 2 つある。だからここは安全で、あそこは危ない」。そうやって少しずつ確かになっていく感覚です。
その面白さを、1 つの画面を囲んで 2 人で遊べることば遊びにしたい。出発点はそれだけでした。地雷の代わりに「答えの文字」を埋めておけば、数字を読むことが、そのまま答えを推理することになります。
盤面は五十音表
盤面は、学校で見た五十音表と同じ並びです。右上が「あ」、左へ「か・さ・た・な…」と続き、いちばん左の列が「わ・を・ん」。全部で 47 マスあります。
ふつうの五十音表と違うのは、長音の「ー」が「ん」の下に独立したマスとしてあることです。「コーヒー」や「チョコレート」のような言葉は、のばす音も答えの一部として地雷になります。
英語のモードでは、A〜Z の 26 文字を 6 列に並べた盤面で遊びます。
遊び方
- お題が出ます。たとえば「3 文字の食べ物」。
- 先手はまず答えを予想して入力します。わからなければパスしても構いません。
- 外れたら(またはパスしたら)、盤面から 1 文字だけ開けます。
- 手番が相手に移り、同じことをくり返します。先に正解した方が勝ちです。
開けた文字が答えに入っていなければ「セーフ」で、そのマスには 周りの 8 マスに答えの文字がいくつあるか が数字で出ます。答えに入っている文字を開けてしまったら「地雷」。地雷を開けたプレイヤーは、次の自分の番だけ答えを言えません。

たとえば答えが「さくら」だとします。地雷は「さ」「く」「ら」の 3 マスです。
- 「か」を開けると、周りに「さ」があるので 1
- 「き」を開けると、周りに「さ」と「く」があるので 2
- 「ま」を開けると、周りに答えの文字がないので 0
0 のマスを開けたときは、本家のマインスイーパーと同じように、周りのマスもまとめて開きます。
地雷を踏むのは損ですが、そこで「答えにこの文字が入っている」ことは確定します。危ないと分かっていて、あえて開けにいく手もある。このあたりの駆け引きが、2 人で遊ぶときのいちばんの面白さだと思っています。
文字のルール
日本語の言葉をそのまま盤面に置くと、困ることがいくつかあります。そこで、次のように決めました。
- 濁点・半濁音は区別しない。 「が」は「か」、「ば」も「ぱ」も「は」のマスです。
- 小さい文字は区別しない。 「っ」は「つ」、「ゃ」は「や」です。
- カタカナはひらがなと同じ。 「パン」の地雷は「は」と「ん」です。
- 同じ文字が何回出てもよい。
最後のルールには、あとから手を入れました。「ちょうちょう」のように同じ文字が 2 回出てくる言葉では、最初は地雷のマスを 1 つとして数えていました。それだと、数字から文字数が合わなくなります。いまは、周りの数字を 答えに出てくる回数ごと に数えて、開いた地雷には「×2」と出すようにしています。「ちょうちょう」なら、「さ」を開けると「ち」が 2 回分で 2 になります。
盤面を開ききったら
安全なマスをすべて開けても、まだ誰も当てられないことがあります。地雷の文字はわかっても、並び順がわからないからです。
そのときは、答えを 先頭から 1 文字ずつ 公開していきます。2 人がそれぞれ 1 回ずつ答えたら、次の 1 文字を開ける。最後の文字まで出ても誰も当てられなければ、引き分けです。

2 万件をこえる問題
問題は、日本語と英語あわせて 21,284 件あります(2026 年 10 月 20 日時点)。スポーツ、料理、動物、理科、歴史、都道府県、アニメ・漫画、ゲーム、芸能人など、日本語だけで 77 のジャンルがあります。
ジャンルと文字数は選べます。何も選ばない「おまかせ」では、まずジャンルを均等に選んでから、その中の問題を選ぶようにしました。問題の数が多いジャンルばかりが出てこないようにするためです。また、IT 用語やプログラミングのような専門的なジャンルは、おまかせでは出さず、選んだときだけ出るようにしています。
問題データは途中で大きく入れ替えました。最初は特定の作品に関する問題が 7,000 件以上入っていましたが、それを外して、文房具や天気、楽器のような身近な題材を足しました。いまは駅名のような「数を増やすためだけの地名」も入れず、ジャンルとして遊べる言葉を優先しています。
答えが 2 つある問題
このゲームでは、盤面から分かるのは「どの文字が、何回入っているか」だけで、並び順はわかりません。すると、同じ文字でできた別の言葉は、盤面の上ではまったく区別がつかないことになります。
たとえば「会議(かいぎ)」と「機会(きかい)」。濁点を区別しないので、どちらも「か・い・き」が 1 回ずつです。「危険(きけん)」と「元気(げんき)」もそうです。
こういう言葉は、同じジャンル・同じ文字数なら どちらを答えても正解 にしています。問題をまとめる処理が自動でグループをつくるので、データを足すたびに手で確かめる必要はありません。
答えは漢字でも読みでも入力できます。「光合成」と打っても「こうごうせい」と打っても正解です。
遊び方の広がり
もとは「1 台の端末を 2 人で交互に使う」遊び方だけでしたが、いまはこうなっています。
- ローカル対戦:1 台を交互に使う、いちばん最初の遊び方
- オンライン対戦:同じ合言葉を入れた 2 人、またはランダムに選ばれた 2 人で対戦。持ち時間は 1 手 90 秒
- エンドレス:ひとりで何問続けて解けるかを競うモード。ライフは 3 つ
- 今日の一問:毎朝 7 時に新しい問題が 1 問出る。いくつかのマスがはじめから開いている
オンライン対戦では、答えを相手の端末に送らないようにしています。答えと判定はサーバー側だけが持ち、端末には「どのマスが開いて、数字はいくつか」だけを届けます。

今日の一問は、はじめから開けておくマスの選び方に少し工夫があります。マスを 1 つずつ開けていき、盤面の数字に合う言葉が 3 つ以下に絞れたところ で止めます。開けすぎると答えが見えてしまい、少なすぎると推理できない。その間を、計算で探しています。
コメントでみんなで解く配信
いちばん新しく取り組んでいるのが、YouTube のライブ配信で、視聴者のコメントで遊ぶモードです。
- コメントに 1 文字(「か」など)を書くと、そのマスが開く
- 答えがわかったら、そのままコメントする
- 正解するとポイント。開いたマスが少ないほど高い(10 点から 1 点)
- 盤面が開ききっても誰も当てられなければ、45 秒後に答えを出して次の問題へ
正解が出たときのひとことは、配信している PC の Claude Code が書きます。視聴者の名前や言葉は「データ」として渡し、そのまま指示として扱わないようにしています。読み上げは VOICEVOX です。
ふつうのチャットと答えを見分けるのに少し悩みました。コメントを全部回答として扱うと、「こんばんは」のような挨拶まで誤答として流れてしまいます。いまは、「答え:」と付いているか、答えと同じ文字数のときだけ回答として扱っています。それでも 5 文字の問題のときは「こんばんは」が回答扱いになるので、完全ではありません。
配信を自動で始めたり終えたりする部分は、まだこれからです。
つくってみて
ルールを書き出すと短いのですが、実際には「同じ文字が 2 回出たら」「盤面を開ききったら」「答えが 2 つありえたら」のように、遊んでみて初めて気づく決めごとがたくさんありました。そのたびに、ルールを 1 か所で決めて、ローカル対戦・オンライン対戦・配信のどこでも同じ判定になるようにしています。
これから
- 対戦成績を残せるようにする
- 配信の自動開始・終了
Web 版はすぐに遊べます。2 人で 1 つの画面を囲んで、ぜひ試してみてください。
盤面と数字の計算、文字の正規化、答えのグルーピング、2 人対戦の状態の持ち方、Expo で Web と iOS を 1 つのコードで動かすときのつまずき、配信のコメント処理まで、コードを引用して書いた技術編は「五十音マインスイーパーを全部書く」にあります。
更新(2026-10-20)
- iOS 版が App Store に出ています。 書いたときは審査中でしたが、いまは App Store で配信しています(公開日は 2026 年 10 月 13 日、現在のバージョンは 1.0.2)。上の本文と「これから」を直しました。
- ジャンルを細かく分けました。 「N 文字の〈ジャンル〉」がいちばんのヒントなのに、「ことば」「生活用品」「食べ物」のように、関係のない言葉が同じジャンルに入っていました(「鳥居」や「孫」が「ことば」に、「ケチャップ」が「食べ物」に、など)。そこで、日本語の言葉をすべて、名前から思い浮かべられるジャンルに入れ直しました。「食べ物」は料理・お菓子・果物・野菜・食材・調味料・飲み物に、「生活用品」は日用品・台所用品・掃除・洗濯・家具・家電・工具に、というふうにです。どのジャンルにも合わない言葉 831 件は外しました。日本語のジャンルは 51 から 77 に、問題は 22,116 件から 21,284 件になっています。
- ハロウィン週の見た目を入れました。 10 月 24 日から 11 月 1 日までは、画像・ショート動画・「今日の一問」のページの上の帯が夜空になり、コウモリやかぼちゃが出ます。10 月 27 日から 11 月 1 日には、ハロウィンにちなんだ問題を 6 問出します。日付で切り替わるので、アプリの更新はいりません。
更新(2026-10-25)
- 言葉の少ないジャンルに、日本語の言葉を 847 件足しました。 ジャンルを分け直したあと、舞台・芸能が 18 件、仕事・会社が 22 件、音楽が 25 件のように、80 件に満たないジャンルがあり、同じ答えが何度も出ていました。そこで、ジャンルの名前から思い浮かぶ一般的な言葉を、100 件に近づくまで足しています。すでに問題集にある言葉や、同じジャンルに同じ読みがある言葉は外し、候補 960 件のうち 113 件を落としました。足したジャンルは 19 です。